拝啓、青い檻の中から

一年前出会ってしまった舞台の考察のために開設したブログ

AとBの比較と考察 DVDキャプションⅡ-1

それぞれのパターンにおいて違うなと思ったシーンの比較とそれに伴う考察

キャプションⅡはいろいろ考える所が多すぎるので分割します。

 

・「認めるだろう、それは~」

A:

クレールはいたずらが成功した子供のように話しているのにソランジュはちっとも笑っていない。むしろ沈んだような表情でクレールを見ている。

→無邪気なクレールを心配している。この時既に自分たちの失敗を予感している?

 B:

こちらのクレールもいたずらが成功した子供のように話している。ソランジュは笑いを堪えるかのように下を向いて、少しほくそ笑んでいる。

→奥さま顔を思い出して笑っているような感じ

 

・イライラの仕方 「苛々するわね、まったく!」のシーン

A:

クレールの苛々の仕方は少し声を荒げ、大きく身体をのけぞらせている。

→苛々が表面に現れている。苛々を相手にぶつけて消化しようとしている。少し男性的?な印象を持つ

B:

声を荒げる事はなく、それでも言葉の端に苛立ちが滲み出ている。

→自分のなかで消化しようとするが、十分に消化しきれていない印象

 冷静になろうとして冷静になりきれてない。

 

・旦那さまからの電話

A:

クレールが受話器を取りに行くシーン、クレールはバタバタと急いでいる。

旦那さまの伝言をソランジュの眼を見つめながら繰り返している。

動揺のあまり受話器を電話に置き忘れている。

「判事が~」の台詞では憔悴しているようす。

→急いでいるシーンは自分がやらなければいけないことを一刻も早く終わらせようとしている。

 ソランジュの眼を見つめながら話しているのはソランジュにも伝言の意味が伝わるようにしている為?

 旦那さまが出てきたことが自分たちの失敗を意味している事を理解している、そしてそこで思考が停止している。

 受話器を置き忘れている事が自然に見える。

B:

ゆっくりと歩いて電話に向かっていく

伝言を繰り返す時、ソランジュの事を見ていない

旦那さまの伝言を聞いた後唇を少し噛んでいる(?)

判事が~」の台詞はあっけらかんと言っている

受話器を置くとき、最後まで受話器を見ている。

→冷静さを取り戻す為にゆっくりと歩いている。

 受話器の向こう側に誰がいてもいいように。

 クレールの中で旦那さまの伝言を噛み砕いて完結させようとしている。

 ソランジュに伝える気はない。

 受話器を最後まで見ているせいで受話器を外したままにしているのが少し不自然に感じる。

 それだけ心の中では動揺している、と捉えればいいのかもしれないが、彼女がするミスにしてはすごく稚拙だな、と感じる。

 「判事が~」をあっけらかんに言っている所は最悪の結末に転がり堕ちているのに、「なんでもないわ、こんなこと」と思いこもうとしている。

 (本当に彼女は感情を表に出そうとしないな、と思う瞬間)

 

 ・「愛しすぎているということ」という台詞

A:

クレールはソランジュのことを見ていない

→クレールはソランジュの事を言っている

 ソランジュがクレールを「愛しすぎている」

B:

クレールはソランジュの事を見ている

→クレールはクレールのことを言っている

 彼女はソランジュを見ている。自分にそっくりなソランジュを。

 クレールがソランジュを「愛しすぎている」